- C'ISM BE
- 2010年2月28日
- 読了時間: 5分
更新日:11月21日

No.1 Ronald DELFOSSEさん (KEYAKI オーナー)
ベルギー在住のさまざまなジャンルの「プロ」に話を聞く「ベルギーのプロに聞く!」。 第1回目はBruxelles市内でお惣菜・お弁当・料理教室を展開する『KEYAKI』のシェフ、ロナルドさんにお話を伺いました。<お店・教室は閉店しました>

ロナルドさんは1975年ベルギー リエージュ生まれ。
14歳から18歳までナミュール州立ホテル学校で料理等の基礎を学び、その後星付きのレストランで修行。ただ、その時はホール係として働いていて、後に「料理を作るのは性にあってるし、食べるのも好き」との理由でシェフへと転身したそうです。
S(スタッフ):ホテル学校では何を学ばれていたのですか?
R(ロナルドさん):日本の専門学校では料理学校なら調理のみを習うと思いますが、ベルギーの学校では料理・ワイン・給仕、ホテル業の全てを習います。ですから、シェフであっても給仕のプロの知識を持っています。私が学んだホテル学校はホテルに併設されていたので、勉強した知識を実際に接客しながら身につけることができました。 ホテルには日本のお客さまもたくさん来ていましたよ。
S:日本語はホテルの実習時に勉強したのですか?
R:お客さまとのコミュニケーションのために少し勉強しましたが、本格的にやり始めたのはその後です。
S:シェフに転身してからはどんなお店で修行したのですか?
R:ブリュッセル市内の日本食屋さん数軒で修行しました。
S:ということは、専門は日本食ですか?
R:うーん。専門は・・・。和食もフレンチも、「何でも」ですね(笑)。
S:お気に入りの日本の調理器具は何ですか?
R:何と言っても修行時代に使っていた「まるかすあげ」です!揚げ物をする時にでる天かすを集めて掬い取るための道具で油の質をキープするために欠かせないものですが、これはもう使うたびに感動しますね~!!あとは、やはり包丁でしょうか。日本ではドイツの包丁も有名ですが、切れ味や鉄の質は日本の包丁に勝るものはないと思います。
S:『KEYAKI』について教えてください。
R:『KEYAKI』は2007年に開業しました。
お弁当のデリバリー、お惣菜の提供、お料理教室、すべて『KEYAKI』の名前で展開しています。名前に特に意味はないのですが、「3文字で、樹の名前が良いな」と思っていて妻の母が名付けてくれました。
設立はゼロからのスタートでしたし、前に勤めていた会社を辞めてから1ヶ月で開業したのでとても大変でしたが、お弁当のデリバリーなど以前から溜めていたアイディアを自分の手で実現できるのでとても充実しています。
S:毎週土曜日はお惣菜屋さんとして展開されていますが、現地の人に人気のメニューは何ですか?
R:日によって違いますが、「SUSHI」はとにかく人気がありますね。理由は良く分かりませんが、ヘルシーというイメージがあるからでしょうか・・・。確かに油は使いませんが、脂の乗っているお魚もあるし寿司飯に砂糖も使いますから、特別ヘルシーというわけではないと思うのですが(笑)。
S:ベルギーで和食のお弁当・お惣菜を作るうえで苦労されていることはありますか?
R:特にないです。和食材店で購入するのはお米と調味料だけで、その他の食材は地元で調達します。
高いお金を払えば手に入らないものはないですが、そうすると商品の値段も高くなってしまいます。せっかくベルギーで和食を作っているので、ベルギーで手に入る食材を適正な価格で提供することをポリシーにしています。


Photo by Sari TURUNEN
S:毎回キャンセル待ちも出るという人気のお料理教室ですが、メニューはどのように決めていますか?また、今までの中で好評だったメニューを教えてください。
R:春はホワイトアスパラを使ったり、クリスマス時期に使える料理にするなど、なるべく旬の素材を取り入れたり季節のイベントを意識したりするようにしています。
また、料理のジャンルや素材がかぶったりしないようにも考えています。毎回時間をかけてギリギリまで考えているので、レシピを作る妻に怒られています(笑)。
一番好評だったのは、2008年の2月の「フォアグラのコロッケ」ですね。2年ほど前のメニューになりますが、未だに「美味しかった」との声をいただきますね。そのまま食べても美味しいフォアグラを揚げてしまうという贅沢な食べ方はベルギーならではですね。フォアグラがとろけて参加された皆さんはびっくりしたようです。
S:お料理に合ったワインも大変好評ですが、どうやって選んでいるのですか?
R:ホテル学校時代に習った銘柄や、レストラン等で飲んだ印象深いワインを紹介しています。有名なものはすでに皆さんご存知ですので、あまり知られていないもの、トライしやすいものを予算内で選ぶようにしています。
以前はレッスンごとにスーパーに買いに行っていたのですが、お料理教室に参加された方がすぐにblogで紹介してくださってそれを読んだ皆さんがご購入するので売切れてしまい、探し回ったことがあるので、現在はまとめ買いするようにしています(笑)。

S:ベルギー特有の食材でぜひチャレンジして欲しい、というものはありますか?
R:ホワイトアスパラやシコンなどは是非食べてみて欲しいです。ベルギー人は白いお野菜が好きなのでスーパーには白い野菜がたくさんありますよ。
また、日本では手に入りにくいウズラやウサギなどもチャレンジして欲しいですね。味が淡白なので煮込み料理などにすると美味しいですよ。
S:シェフには、ベル通読者のためにレシピを提供していただきますが、意気込みを聞かせてください。
R:ベルギーは日本にはない珍しい食材がたくさんあります。
見ただけではどうやって調理したら良いか分からないと思いますが、こってりフレンチではなく、日本人に身近な調味料をつかって家庭料理に取り入れられるレシピをお届けする予定です。どうぞお楽しみに。
デリカテッセン KEYAKI
<お店は閉店しました>




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