- C'ISM BE
- 2023年10月8日
- 読了時間: 5分
更新日:11月16日
アドルフ・サックス国際コンクール
Concours International Adolph Sax
サクソフォンの聖地であるディナンで最も権威のあるコンクールが開催されます。
『アドルフ・サックス国際コンクール』は、どんなコンクールなのでしょうか。
出場経験のあるベルギー在住のサクソフォーン奏者、高溝祐衣奈さんにお話をうかがいました。


"アドルフ・サックス国際コンクールは、サクソフォーン奏者には憧れの世界最高峰の舞台です。世界中から奏者が集まって来て、ディナンは街をあげて盛り上がる週間となります。音楽知識がなくても楽しめると思いますよ。"


"ビデオによる予備選考でかなりの参加者数が絞られ、予選からかなりレベルの高い演奏を聴くことができます。予選と準決勝の様子は文化センターで誰でも無料でみることができます。"
会場は、日本にある「文化センター」とはイメージが大きく異なる瀟洒な建物です。

コンクールは、ビデオによる予備選考、20分間の予選(エリミネーションラウンド)。準決勝は40分間、予選ラウンドの上位 18 名が進むことができます。 決勝戦へは、上位 6名が進むことができます。
アドルフ・サックス国際協会HPより抄訳

"本選はホールではなくて教会で行われます。教会はすごく天井が高いので残響が長く、良い響きになります。通常の音楽ホールとはまた違った、荘厳な雰囲気になります。 決勝戦は人気なので早めにご予約くださいね。"
オンライン予約はこちら


"音楽のレベルもさることながら、このコンクールのもう一つの魅力は地元の人々の温かさです。協会がボランティアのホストファミリーを募り、世界中から来る参加者を迎え入れます。私も過去に参加した際も親切にしていただき、ありがたかった思い出があります。"

人口1万3300人のワロン地方都市ディナンの中心地。市民のお宅にコンクール参加者が宿泊し出番に備えます。

"ディナンの街には、サクソフォーンの生みの親であるアドルフ・サックスのアイコンがいたるところにあります。それらを訪ね歩くのも楽しいと思います。"
Maison de Monsieur Sax (サックス氏の家)
サックス氏の生家を公開。年中無休 入場無料
Art on Sax (アート・オン・サックス)
欧州各国などをテーマにしたサックスのモニュメントが並べられています。シャルル・ド・ゴール橋から観光案内所、エスパスサックスの通りの各所で見つけてみてください。

Le Banc de Monsieur Sax (サックス氏のベンチ)
サックス氏の銅像が座っているベンチがあります。隣に座ってツーショットはいかが?
サックス氏ゆかりの地が見どころマップになっています。マップはこちら
アート・オン・サックスの個別の説明が見られるQRコードもあります。


ディナンの地で生まれたもう一つの名物といえば、ビールのレフ(Leffe)です。
その昔、蒸留所であった女子修道院が、展示室として公開されています。展示用に改装された礼拝堂が重厚な雰囲気で素晴らしいです。
ビールの試飲もあり。高台ですし、レストランもありますので、まったりするのにオススメの場所です
Mason Leffe(メゾン レフ)
*Leffe Belgiumインスタグラム https://www.instagram.com/leffe.belgium/
*修道院の歴史についてはこちら(英語) https://leffe.com/en/history
その他ベル通オススメリスト
ディナンでは外せないスポット。フランス侵攻の足がかりとしてディナンを侵略しようとしていたドイツ軍に何度も攻撃された悲劇の舞台です。現在はその当時の武器や戦争にまつわる展示物があり、戦争の悲惨さを物語っています。
城塞の展望台からは、ディナンの街並みを一望できます。

Patisserie Jacobs(パティスリー ヤコブ)
ディナン名物菓子「クック・ド・ディナン」が自慢のパティスリー。「クック・ド・ディナン」は小麦粉とハチミツで作られ、ヨーロッパで一番固いビスケットと言われています。

La Fermette(ラ・フェルメット)
ディナン郊外の小さな村に佇む隠れ家みたいなレストランです。本物の農家のような落ち着いた室内に洗練された料理という意外な組み合わせが魅力。

サックスの音楽とワロンの自然を味わいに足をのばしてみませんか。
今回お話を聞かせてくれた方
高溝 祐衣奈さん https://yuinatakamizo.com/
大学在学中に演奏旅行で訪れたディナンで国際サックスコンクールを鑑賞し、その年の優勝者であるシモン・ディレク氏の演奏に衝撃を受け、ベルギー留学を決心する。卒業後、ブリュッセル王立音楽院に留学、アラン・クレパン教授とシモン・ディレク氏に師事、優秀な成績で卒業。モンス王立音楽院で教職修士課程の学位取得。
現在、ブリュッセル王立音楽院はじめワロン地域など、各教育機関で指導。
日本と西洋の音楽折衷をテーマに、琴・三味線奏者の佐藤亜貴氏と「デュオ・ KANADE 」を結成。コンテンポラリーダンサーの Miko 氏とユニットを組む。2023年11月ブリュッセルflageyにてコンサート。
協力
国際アドルフ・サックス協会




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