top of page
  • 執筆者の写真: C'ISM BE
    C'ISM BE
  • 2012年9月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:11月17日

ブリュッセル出身の水彩画家フォロンの美術館

Le musée de la Fondation Folon

ree

ジャン-ミシェル・フォロンを知っていますか?

ブリュッセル出身の世界的に有名なアーティストです。


淡いグラデーションの色彩で、実はシニカルで風刺の効いた内容を表現したイラストを見たことのある人はたくさんいると思います。

イラストどころか、彫刻やアニメ等々、その素晴らしい才能はものすごく多様な作品を残しています。

彼の美術館・・・・というよりも、「彼の世界そのものが見られる場所」が、ブリュッセル市街地から車で20分ほどの所にあるソルベイ公園の中に立つ美しい城、シャトー・ド・ラ・ユルプ(Ferme du Chateau de la Hulpe)の敷地内にあります。


いわゆる古いシャトー・ファームの建物を改装したこの場所に、水彩画、版画、彫刻、ポスター、イラスト、雑誌の表紙等々、500点に及ぶ作品が保管展示されています。


駐車場から美術館がある場所まで、自然溢れるヨーロッパ的な農場の中を歩きます。池や畑があり、四季折々の景観を楽しみながら、どこへ運ばれていくんだろう?とワクワク期待させる公園の中の1本道をお散歩気分で歩いていくと、、、


フォロン財団が運営するフォロン美術館が見えてきます。この建物は、17世紀の有名な建築家J.P. Cluysenaarが設計したもの。ブリュッセルの有名なギャラリー・サン・チュベールもこの人の設計です。この建物を美術館にするにあたり、建築当時のオリジナルな姿の白壁に再現されました。


美術館としての建物は二つあり、中庭を挟んで向き合っていますが、このエントランスにもフォロンの多くの作品のモティーフである山高帽をかぶって長いマントを羽織った男の像が「ぬぼっ」という感じで立っています。

ree

チケットを買うと、「では、まず、あちらのビデオをご覧ください。」と言われるので、壁に設置されたディスプレイを見つめていると、鮮やかな幻想的なムービーの最後で、突然、その壁が動く!そう、壁自体が「本」の形をしていて、次の展示室へのドアになっているんです。フォロンの世界を綴った「本」の中へ、入っていく仕掛けになっているんです!


一歩中に入ると、そこにはフォロンが溢れていて、多種多様な作品をたっぷりと見ることが出来ます。ところどころにフォロン自身の「言葉」が壁に書かれており、彼の思想の端々を感じます。


本の表紙や、雑誌のイラスト、ポスター等々、どれも「あー、見たことあるあるある!」と叫びたくなるものがたくさん!あらためて彼の作品が大量であったことと、その才能のすごさに圧倒されます。


こんな可愛らしいステンドグラスやコラージュ作品もありました。モノサシで船が出来ています!

身近にあるどんなものでも、彼にとっては、「アートを表現するもの」に変身しちゃうんですね!いや、変身させちゃう、のかもしれません。でも、表現手法が変わっても、「フォロン」なんですよね。


特に私が気に入った展示は、こちらのトンネル。

ree

彼の書いた「手紙」が実物よりかなり大きく拡大されたサイズでインテリアのようにコラージュのように展示されている場所です。


フォロンは、手紙本文だけでなく、封筒の表書き部分にも自分で絵を描いていたんですね。切手の図柄をきっかけに、、、というか、自分のイラストの中に切手の図案を取りこんでいて、すごく面白い!


他にも、シルクスクリーンの版下とその刷り上がりの作品を比較できる展示もあって、作品が作られていく工程を見ているようで、ものすごく興味深いです。


一つ目の建物が終了すると、また中庭を通り、向かい合った二つ目の建物へ。

二つ目の建物に入るのには暗証番号が必要!ですが、番号はチケットに記入されてるので大丈夫。


こちらは、フォロンの世界をより堪能できるように様々な「仕掛け」が施されています。

彼のアトリエの再現や、彫刻作品が多く展示してあり、鏡張りのハニカムになった部屋も。

例えば、これは、クノックの海岸に実際に設置されている彫像をこの美術館内で体感できるように、像の向こう側に海のリアルな映像が流れていて、あたかも自分が海岸のその場所にいて、フォロンの作品と一緒に海を見つめている気分になります。


そして、最後は、プラネタリウム? ・・・・と思ったら、この満天の星空に梯子を上っていく人形が!

ree

音楽に合わせて星空にふわりふわりと浮遊するような、飛んでいるような動きをするのを見つめていると、ほんとに幻想的な気分になり、この場所に自分がいるのが不思議に思えてくるぐらいです。


出口は、もちろん、「本」を出ていきます。

フォロンのまさに「世界」を出ていく感じです。


敷地内にはcaféが併設されており、フォロンの世界に気持ちをトリップさせながら、のんびりcaféるのもいいですね!

そして、美しくかつ広大なソルベイ公園内には、たくさんのフォロンの彫刻作品が点在しています。

ゆっくりとフォロンの世界の余韻を楽しみながら、気持ちのイイ公園を散策しながら、お気に入りの作品を見つけてみてください。


【フォロン美術館 Le musée de la Fondation Folon

住所:Ferme du Château de La Hulpe

   Drève de la Ramée 6 A

   1310 La Hulpe

TEL:02/653.34.56

URL:http://www.fondationfolon.be/

開館時間:火曜日~金曜日:9:00~17:00

     土曜日、日曜日:10:00~18:00

入場料:大人 9€、子供(6~12歳) 5€

【注意】

カーナビで住所設定する場合、上記住所を認識しない場合があります。その際は、« 111, chaussée de Bruxelles ,1310 La Hulpe»を設定し、到着後は、« Fondation Folon »の標識(案内用の矢印標識)に従って進んでください。


コメント


bottom of page