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第2回: 本当の想いに気づく・・・そして行動してみる
今回も私の体験談からです。

私は1回目の海外生活の時にママになりました。 実際の育児生活では、子どもはかわいいけれどイライラすることもしょっちゅうで、育児本も何冊も読みました。 でも、本を読んだからといって、本の通りの子育てができるわけでもなく、自分が何を軸に子育てしたらいいのかわからないまま毎日が過ぎていきました。

そんな時に、フリーペーパーの広告に載っていたアドラー心理学のことを思い出しました。 よりよい親子・家族関係を築いていく指針になるのでは?と思ったので、大学教授からの個人講義を受けることにしました。

その講義の中で胸に強く残ったのは「こどもを自分の所有物と思わず、大事な親友と思って接すること」「相手を尊敬すること」。 講義の中で何度も出てきた言葉なので、しっかりと頭に残っていました。

でも、頭に残っていても、実際の生活場面で活かすとなると本当に難しいものです。 「いや、いやぁ!」期の真っただ中の子ども相手についつい声を荒げたり、「自分でやる」ということを待てなかったりして、子どもが寝た後に「どうしてもっと優しいママになれないんだろう」と反省。「私は教員だったのに」「私はコーチなのに」「アドラー心理学も学んだのに」と反省ばかりが得意になっていました。

時は流れて、数ヶ月前、ベルギーへ来てからのこと。 その頃も子どもに対してイライラする場面が多くなっていて、私は自分のコーチに子どもとの接し方について話をしました。(コーチには守秘義務がありますので、コーチ側からコーチングの内容が他者に披露されることはありません。)

以下は、その時のコーチとの会話です。

私 「知識としては色々と知っているし、それなりに勉強もしたと思っています。でも、実際に子どもを目の前にするとイライラしてしまって、つい声を荒げてしまうんです。言ってからシマッタ!と思うのですが・・・。」

コーチ 「布施さんが持っているリソース(資源・・・この場合は色々な知識)を実際のお子さんとの関係で有効に使えていなくて困っているんですね。布施さんがそこまでお子さんとの関係性を考えるのはなぜですか?」

私 「・・・子どもには安心感の中で育ってほしい。自分はここにいていいんだ、愛されていると感じながら育ってほしい。そう思っているのについつい怒鳴ったりしてしまうんです・・・。」

コーチ 「お子さんにそういう風に感じて欲しいという思いはどこから来ているんですか?」

私 「自分の小さかった頃を振り返ると(以下省略)・・・。」

コーチ 「布施さん、お子さんに自分を重ねているんですね。」

ここで、私に大きな気付きがありました。

目の前にいるわが子は小さかった時の私だと思えばいいんだ! 私は親という立場に立ちすぎていてしっかり育てなきゃと思い過ぎていたみたい。子どもだった頃の自分は親にどういう風に接して欲しかったか、どんな毎日を過ごしたかったか、それを考えよう!と思ったのです。

もっと優しいママになりたい、ガミガミ言わないママになりたいという気持ちの向こう側には、愛情に包まれて育って欲しいという想いがあったことに気付きました。

コーチ 「布施さん、今、大きな気付きがありましたね。今の気持ちを忘れないために何か仕掛けをしませんか?」

ベルギーに来てから、子どもの写真を飾ってなかったのですが、これを機によく見えるところに飾ることにしました。その写真を見る度に「愛情いっぱいの中で育ってね」という想いを私が再確認できるように。

今でもついつい大きい声でガミガミ言ってしまうことはあります。(しょっちゅうです(笑))。
でも、以前よりはかなりよくなりました。(そう思っているのは私だけ!?)

今回は私の子育てを例にしましたが、似たようなことは海外生活の中にもたくさんあると思います。 やりたいなと思っているけど、やれていないこと、もっと改善できたらいいなと感じていることなど、ついつい「できていないこと」に目を向けてしまいがちです。

例えば、フランス語がもっとわかったらいいな、もっと勉強すればいいんだけど・・・と感じているとします。 コーチングでいろんな角度から質問をしてみると・・・。

・フランス語がもっとわかるようになりたいと思ったきっかけは何ですか?
・フランス語がもっとわかるようになったら、どんなことが起きますか?
・フランス語がわかるようになったあなたが1番楽しんでいることは何ですか?
・楽しく無理なくフランス語を勉強するためには何があったらいいですか?

「フランス語がもっとわかるようになること」で、本当に望んでいることは「現地の友達を作りたい」だったり「もっと気楽に買い物に行きたい」かもしれないですね。

自分が本当に心の奥で望んでいることに気づけば、そこを入口に行動することができます。

例えば、フランス語はできないけどとにかく話しかけてみる→挨拶を覚えてみよう→自己紹介もしたいな→天気の話もできるかも・・・というように、少しずつ会話から覚えてみる方がラクで楽しいかもしれません。

買い物をしたレシートを訳してみることで、自分が買った商品はフランス語でこういうのか、という発見があり、他のお店でも買い物しやすくなるかもしれません。

できていないことに注目せず、できたらいいなと思うことや、その気持ちはどこから(何から)きているのかをじっくり自問自答してみましょう。

上記のコーチング質問を自分の状況にあてはめてみてください。
そして、出てきた答えに直結(←ポイント!)する行動をまずとってみてはいかがでしょうか?

自分の想いに直結する行動は、ラクに楽しくできると思います。
1から順番にとか、これができないとこれは無理だな~という考えは脇に置いといて(笑)。
行動してつまずいた時にはまた戻ってくればいいのですから!

今朝も勉強しない娘にガミガミ言ってしまった私です。 でも学校へ送り出す時はハグして「行ってらっしゃい」と言いました。何も心配せず安心して学校で過ごしてほしいから。 そして「ただいま~」って笑顔で帰ってきてねという想いを込めて。

今回のコーチングクエスチョン: あなたが本当に望んでいることは何ですか?


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布施智美:
大学卒業後、教職を9年間務め、夫の海外赴任に付随しアメリカへ。
コーチングを学び「(一財)生涯学習開発財団 認定コーチ」を取得しコーチングセッションを継続中。アメリカ在住時に大学教授よりアドラー心理学を学ぶ。 帰国後、厚生労働省認定CDA(キャリアディペロップメントアドバイザー)資格を取得し、就活者や転職者へのキャリアカウンセリングを行う。人がよりよく生きるサポートをすることをライフワークとするベルギー在住主婦。



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