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Oud Beersel〈アウドゥ・ベールセル〉      2017-6-30 【ビール】
酸っぱいチェリービールは本物の味 
ランビックビール(詳しくはこちら)の醸造所があるBeerselという村に行ってきました。
ブリュッセルからは車で約30分。この付近はセナ川(Zennevallei)という川が流れていて、ランビックビールはこの川付近で製造されます。この川に生息する野生酵母(ブレタノマイセス系)がランビック造りに欠かせないからです。



Oud Beersel 醸造所は1882年創業の老舗醸造所です。2002年には一時閉鎖を余儀なくされてしまい醸造を中断してしますが、その後、2005年にGert とRolandという二人の親子によって買い取られ、現在まで素晴らしいビールを世に送り出し、彼らの造ったビールはいくつもの賞を受賞しています。創業当初はランビックを造っていましたが、2005年からは上面発酵のビールを製造、ランビックは2006年から再開しました。ランビックは、購入した原酒を自社にて発酵させブレンドして製品化する、いわゆる「ブレンダー」を行っています。いくつかのランビック醸造所から樽で買い付け自分でブレンドするブレンダーは、かつてのベルギーには多くいたそうですが、最近は少なくなってきたそうです。

村はとても小さくのどかな感じです。醸造所は小さくて分かりにくいですが、ビールの樽とOud Beerselという黒い看板が目印。入ってすぐはビールショップになっていて、その奥に醸造所があります。

英語のツアーを第1、第3の土曜日の12時半から行っていて、予約なしで訪問することが出来ます。今回は約20人各国からの参加者がいました。ツアーはテイスティングをしながらのスタート。ランビックが熟成されている樽がある熟成部屋のようなところで、若いストレートランビックを飲みながら醸造所の歴史や、醸造方法について話を聞きます。頂いたビールはとっても飲みやすいもので、アルコール度数は4%、柑橘系の特に文旦の薄皮のような爽やかな苦みが心地よくゴクゴク飲んでしまいました。ちなみに現在は、ここでは熟成しか行っておらず、前工程は別の場所でやっているとのことでした。次の工程は冷却と煮沸、ホップの添加。ただ、ここの装置はもう使われていないので、ここは博物館的な位置づけでした。昔どのように使われていたか説明を受けることができます。

冷却はカンティヨン醸造所(詳しくはこちらの記事ご参照)のものと違ってタンクのようなもので行います。ランビックと言えば大きな表面積の広い冷却槽で野生酵母が舞い降りてくるのを待つ、というイメージでしたが、ここの冷却槽は野生酵母が入りにくそうです。どうやってランビックになるかというと、樽内発酵のタイミングで樽の中に野生酵母が入り混んでくるとのこと。またそれだけでなく、ここの醸造所はブレンダーであるため原酒を他の醸造所で購入しているので、そのタイミングですでに野生酵母により少々の発酵が行われている、とのことでした(2%程度)。そのあとは樽の洗浄の工程です。写真は古い洗浄機ですが、現在は新しい洗浄機を導入したとのこと。

<冷却タンク>  <煮沸、ホップ添加> <洗浄機>

最後はお楽しみのテイスティングタイム。2階の小さなバーで頂きます。
2人で訪れていたので、2種類飲みました。

まずは写真左のOude Krik(アルコール6.5%)。「Oude」とは古いという意味。ランビックにチェリー(アメリカンチェリーのようなもので、日本でいうサクランボとは違うもの)を漬け込んで造ったビールです。これは巷で飲むチェリーフレーバーの甘いビールとは全然違います。第一印象は、まず酸っぱい!甘いチェリーを想像して飲むとかなり酸っぱさに驚きます。第二印象で、ほのかにチェリーの香りと甘みが出てきます。口の中でシュワシュワとチェリー風味の泡が広がりました。よくレストランやカフェにあるチェリービールは、飲みやすくするために甘いシロップや香料が使われているのでちょっと人工的な味がするのですが、ここのOude Krikは容赦なし!?の本物の味。この酸っぱさが癖になります。

2つ目はBersalis Kadet(4.5%)。印象は…、味がない!なんだか炭酸水を飲んでいるようでした。上面発酵のビールですが、軽く爽快なのどごしでラガービールのような不思議なビールでした。この他にもOude Geuze(グーズ)、Framboise(フルーツランビック)、Bersalis Triple(上面発酵)、bzart Lambiek (珍しいスパークリングランビック)、bzart Kriekenlambiek(スパークリングフルーツランビック)などがあり、1階のショップで購入可能です。

この醸造所もブリュッセルのカンティヨン醸造所同様、生きた博物館のようでした。新しいものを取り入れつつも、ベルギーの伝統を守っていっている姿は思わず応援したくなってしまいます。生産者と消費者の距離がこんなに近く、生産者の方の話を聞きながらビールを飲めるのはベルギーならではですね。

【Oud Beersel】
住所:Laarheidestraat 230, 1650 Beersel
(ブリュッセルからは車で約30分)
ドゥリー・フォンテイネンというもう一つの醸造所も車で5分圏内なのではしごが出来ます。
Tel:02 363 35 80
予約:不要
見学スケジュール:毎月第1、第3土曜日で12時半から英語ツアー有り。
スケジュールは以下のURLから確認出来ます。
HP: http://www.oudbeersel.com/
料金:ツアー(最初のテイスティング含む)+最後のテイスティング1杯⇒8ユーロ
ショップ営業日:9:00~14:00の隔週の土曜日(但し祝日は休み)
*変更になる可能性がありますので、公式HPにてご確認ください。

【関連記事】
『3 Fonteinen(ドゥリー・フォンテイネン)』 すぐ近くの別の醸造所



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