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ベルギービールジャパン



 

   ベルギービールの世界へようこそ! (紹介編)
『ビール大国ベルギー』、でも、ベルギービールってどこがスペシャルなの? せっかくならトライしてみたい! という人のための超概論を連載でお届けしていきます。マニアックなファンのための解説書ではなく楽しんで飲む為のあんちょことしてお役立てください。
  • ベルギービールって何?

一般的に、日本やアメリカなどで、「ベルギービール」として人気があるのは、伝統的な製法で造られるもの。これは金色のラガーやピルス(ピルスナー)がビールの代名詞になる前からあった製法で造られたもの。ホップ以外にも様々なハーブやスパイス、果物などが使われているものが多い。だから日本人やアメリカ人が思う「ビール」とは違って、色や香り、味わいのバラエティがとても豊富。種類をどう数えるかによりますが、400~800種類もあると言われている所以です。

  • 伝統的製法って?

そもそもビールとは、「穀類のでんぷんから得た糖分を発酵によってアルコールと二酸化炭素に還元し、ホップなどで風味付けしたもの」。もっと平たく言えば、パンなどにも使うイースト菌君に、あま~い糖を食べてもらい、それをアルコールとアワに変えてくれたものを風味付けして我々がいただくわけ。実はこうして造られる飲料は、メソポタミアとかシュメールとかいう古代からあったらしく、ベルギーやイギリス、ドイツの一部には、伝統的造り方を継承するビールがまだ生き残っているのです。専門的に言うと、あたりの空気に含まれている天然の酵母の力を借りる(自然発酵)とか、麦汁の上の方に浮いて高温で発酵する古典的な酵母を使う(上面発酵)とか、伝統的にその地方で旬に入手しやすかった果物やスパイスを使うとか、言ってみればスローフードそのもの。

日本人が思うあの金色のビールは、19世紀後半になって登場したニュービール。それ以前の伝統的ビールは、味や品質のばらつきは酷く、失敗や腐造も少なくはなかったはず。この過程に、酵母という目に見えない微生物が介在して発酵が起こり、それには、糖分の濃度、温度や湿度などが微妙に影響することが科学的に解明されたのは、かのパスツール氏の発見以降。こうして、菌を管理の下に培養し、低温で調整しながら製造する、より確実な近代工業生産できるビール製造方法が開発され、大手メーカーが巨大な設備投資して、安く、均質に大量に製造するラガーやピルスという低温発酵のビールが、世界を凌駕する時代に入ったのです。ベルギーですら、消費量の7割以上はこうしたラガー・ピルス系のビールですので、おまちがえなく・・・

  • 種類やカテゴリーがいっぱいあってわけがわからない!

日本の「ベルギービールカフェ」に行けば、丁寧なカテゴリー別メニューや解説などがあるわけですが、一度ベルギーに入ってしまうと、ガイジンやマニア相手の店でもない限り説明はゼロ。でもご心配なく。ワインの世界よりずっと、とっつき易く単純なので、概略さえ把握していれば、色々試しているうちに自分の好みのビールがきっとみつかり、ベルギービールならではの味が楽しめるでしょう。

ベルギービールの分類は評論家や業界人によってもまちまち。ベルギービール醸造家組合ではとてもシンプルなものを提示しています。どの分類でも、製造方法、原料、呼称、アルコール度数、ビールの色などいろいろな基準で分けるため、どこにも属さないものや、複数のカテゴリーに入るビールがあって几帳面な人は、イライラしてしまうかも。でも、まずビール先にありき。醸造家は美味しければ分類なんてどうでもよいのだから。

このシリーズでは、独断と偏見で、こんな感じで展開の予定。どうぞお楽しみに!

爽やか、白ビール!
ブリュッセル代表ランビック
クリスマスビール
ベルギービールの奥義、トラピストビール
じゃあ、アベイビールって何?
ゴールデン・ストロング・エール!というより、ずばりデュベル
フランダース代表レッドエール(とブラウンエール)
ワロン代表セゾンエール
あっさり、アンバーエール
ホットビールも、ヴィンテージビールも

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著者:栗田路子(くりた みちこ)
神奈川県生まれ。上智大学卒業後、外資系広告代理店勤務。米国コーネル大学およびベルギー・ルーヴァン大学にてMBA(経営学修士)取得。90年代始めから、ベルギービールの日本向け輸出・マーケティングに従事してきたが、2007年4月、セミ・リタイヤ宣言。現在は、寄稿や執筆、日本のメディアのためのリサーチやコーディネートなどを請け負っている。ベルギービールの他、教育、医療、障害児など、守備範囲は広い。 ベルギー在住。2010年にベルギービール騎士の会の「名誉騎士」に任命される。
夫とともに㈱マルチライン経営の他、コーディネータースクラブ・ベルギーを運営。障害孤児の養子縁組を支援するチャリティ「ネロとパトラッシュ基金」運営。 障害を持つ子供と供に赴任する日本人駐在員をサポートする「元気ママの会」主催。 今までの寄稿をアップしたブログはこちらから。




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