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〜アントワープ出産体験記〜                【2015-6-2】

思い起こせば2012年7月頃、ベルギーでの初めての夏休みを家族で満喫していたころに、6年ぶりに舞い降りた妊娠でした。ベルギーに来たばかりでまだまだ知らないことだらけだったので、喜びだけでなく焦りや不安も入り混じっていたのを覚えています。

長女の学校もスタートし家族でアントワープの生活を楽しく過ごしていたので、日本での出産ではなくここアントワープで出産することに決めました。 それから病院や産婦人科のドクター探しを始め、最寄りで見つけた専門医のところに通い始めました。初めてのことで、どんなドクターなのか・言葉は通じるのか・健診の進め方はなどなど、海外での出産でいろんなことが気になりましたが、お世話になったのは病院にアシスタントを6人持つ年配ベテランのベルギー人の男性のJohan先生。その先生は診療所で健診を行い総合病院でも働くドクターだったので、そのまま先生の勤める病院で出産することしました。

周りの日本人や知り合いにもお世話になった人がいないドクターでしたが、いつも笑顔で握手からはじまり声が大きく元気をもらえる先生で英語での質問にもしっかり答えてくれたので、日本で長女の時にお世話になった地元のベテランの院長先生のようで安心して健診することができて、気づいたら当初の不安もなくなっていました。

受付の方の対応もよく英語での予約や問い合わせもスムーズに行え、毎回の検診で日本のようにいろいろ質問をぶつけてみても問題がなく特別指導もなかったため、日本に比べるとあっさりしていて物足りなく感じるくらいでしたが、予約制で日本の様に待ち時間も混雑もなく、無駄なく短時間で見てもらえるのはとても楽でした。

嬉しかったのは、妊娠は病気じゃないからお母さんがしたいことをしてゆったり楽しく過ごせばいいというような日本でお世話になったベテラン院長先生と同じ意見だったこと。特に印象的だったのは、妊娠7か月の時にアフリカの友人のところに会いに行けるか聞いたとき、もちろん健康なんだから大丈夫!楽しむといいですよと太鼓判をおしてくれたおかげで、楽しく家族でウガンダへ旅することができました。そんなこんなで、日本とあまり変わらない医療レベルなこともわかってきて、最後にはドクターや病院への信頼感が増して出産に臨めました。処方される葉酸がチョコレート風味でコーティングされていたり、糖分検査のときに飲んだ砂糖水のようなものがレモン炭酸のようでおいしかったり、体重制限も日本よりゆるかったりちょっとした違いも面白かったです。

こちらでは8割の妊婦さんが無痛分娩を選ぶということを先生からうかがい、長女のときは日本で自然分娩を体験したので、こちらでは無痛分娩を希望することにしました。その後も定期的な健診をうけながら迎えた臨月。臨月では健診の間隔が長かったので心配でしたが、予定日より前に定期的な陣痛がきて救急で病院にむかってみると前駆陣痛で、お家に戻ると陣痛がぴたりととまり普段通りの日々を過ごしていたら、予定日より数日前の朝から再び陣痛がスタート。そこから病院に電話して状態を話すと病院で容態を見るということで病院へ。入院準備品も病院の方から日本ほど細かくはなかったですが指示されたものを準備していきました。

病院へ到着後すぐにお腹のチェックをして本陣痛であることを確認。陣痛室へ移動して準備品にあった汚れてもよいTシャツに着替え、麻酔専門医師に背中に無痛の点滴の薬を腰当たり投与してもらい陣痛の痛みが激しくなったら自分で手元のボタンを押しながら点滴の量をコントロール。投与の頻度と点滴の量は自由とのことだったので、耐えられる程度の痛みにしながら子宮口が開くのを待つも、なかなか破水せずドクターに破水してもらい、いよいよベットのまま分娩室へ。

分娩は忙しい先生に代わってアシスタントのベテラン女医さんがかわって担当、初対面でも穏やかに落ち着いた指示とアドバイスで緊張もありませんでした。ベットから分娩台へ自力で移動するのも無痛麻酔のため下半身に力が入らず一苦労でしたが、助産婦さんたちが力をかしてくれました。いきみのタイミングも無痛だとわかりにくくて逆に長引くと聞いていましたが、陣痛の波もお腹の張りとモニターからわかり出産のときにもいきむタイミングもわかったので痛みをこらえるために無駄な力を使うことなく、赤ちゃんが徐々に下がってきている感触もしっかりあって冷静に出産に臨めました。医師や助産師さんたちがまわりで”There is another construction! Take a deep breath~and push(陣痛が来るわよ!深呼吸して~はいいきんで!)"と何度もタイミングにあわせて英語で応援してくれたから心強かったです。立ち合い分娩も可能で主人も立ち会いましたが先生との分娩台の仕切りがなく出てきた赤ちゃんの頭がそのまま目の前でみることができました。

そして、4月15日(月)13:35にアントワープ市内で最も大きい産科があり地元でも長く定評のあるSint-Augustinusにて無事2850グラムの元気な女の子を無事出産しました。陣痛から出産まで長女の時と変わらず5時間くらいで6年のブランクを感じないほどでした。むしろこちらでの無痛分娩出産の方が生まれてくるまでの過程を冷静にじっくり味わうことができて感動も大きかった気がします。出産後もへその緒のついたままの血まみれでほかほかの赤ちゃんをとりあげると私の胸の上にのせてくれてその時初めて安心して涙しました。

それから赤ちゃんのへその緒を主人にカットしてもらい、体重などもはかってもらうと、そのまま赤ちゃんをお腹にのせて横たわったままお部屋へ移動。お部屋も入院前に事前予約は必要なくその場で希望を出して空いていれば自分の希望の病室に泊まることができました。移動中、廊下や受付の人たちが通りすがりに”Congratulation!(おめでとう!)"と笑顔で口々に声をかけてくれてなんだか晴れ晴れとした気持ちになりました。ちなみにへその緒はこちらでは捨ててしまうらしいので、あらかじめ保管する為に容器にとっておいてもらいました。お部屋に移動してからお世話になった先生が入ってきて“遠くにいて分娩には立ち会えなかったけど、私の優秀なアシスタントから無事出産したと聞きました、おめでとう!幸せですか?”と赤ちゃんと私に握手をしにきてくれました。

入院中も、ボタンで呼ぶとみんな5分以内にお部屋にかけつけてくれて何でもいたれりつくせりしてくれて、日本以上のケアだったので驚きました。夜中も呼ばなくても何度も様子を見に来て声をかけてくれたり、何か足りないものはあったら自分でやらないでいいからね、私たちの仕事だからと笑顔で微笑みかけてくれたり、ほんとに外国とは思えないくらい快適でした。また出産後は母子同室でチェックなども部屋まで先生が来てくれました。そのため産後もおむつを替えたり母乳をあげたり、お風呂の入れ方などの指導が入ったりしてゆっくり眠ることは難しくあっというまでした。

母乳マッサージや特別な指導はなく個人と希望に応じて、母乳かミルクか選んですすめていく形でした。驚いたのは出産直後のシンプルな食事!ハムとチーズに食パンだけでとてもお腹がすきすぎて物足りなく主人におにぎりを作ってもってきてもらいました。後にお部屋にもってきてくれるアンケート用紙のようなメニューリクエストに自分の飲みたい食べたいものにチェックをいれて渡せば毎度違うメニューにすることも可能と判明し、想像以上に楽しめた病院食でした。また、出産後はビールもたくさんでなければ飲んでも大丈夫ということも驚き。体の血流もよくなって母乳の出もよくなるなど考え方がとても面白かったです。また、ベルギーでは働くママが多いせいか全体的に母乳派よりも粉ミルク派が多く、母乳を与える期間も日本より短いようです。4日間入院して退院したときも、まだ無痛の薬の効きのせいか下半身の筋力が弱く歩くのに足の力が入らなくてかなりゆっくりの歩行で心配でしたが、キネジセラピストによる骨盤エクササイズの指導もあり、自然分娩よりも回復が早く助かりました。

日本では生後1か月くらいは外出をさけて過ごす方が多い中、こちらでは退院後からベビー連れでのお出かけも歓迎されたのにも驚いた記憶があります。退院後は帰宅数日後にK&Gの職員が自宅へ訪問してくれて、赤ちゃんの様子など見てもらえるのでとても助かりました。また、ベルギーでは日照時間が少ないせいかビタミンDシロップを2歳まで与える必要があったりしますが、そのほか月例ごとの成長記録や必要な予防接種などについては最寄りのK&Gのオフィスでの健診の中で実施してもらえるので安心でした。産後6週間後に産科医の最終診察を受けて以来、それからは普段通り子連れでおしゃれやお出かけを楽しみながら、現在では2歳になるベビーと一緒にベルギーでの子育てを満喫しています。

これからはじめての出産を考えていらっしゃるみなさん、はじめはわからないことだらけで不安を感じるかもしれませんが、私の体験談を読んで少しでも安心してアントワープで素敵な出産を迎えられることを願っています。


<文中に登場した、お世話になった産科医師と病院>

産婦人科医師:Dr. Johan Van Wiemeersch
診療所:Miroeus straat 33 2018 Antwerpen
TEL:03 216 35 53
E-mail: johan.vanwiemeersch@gvagroup.be

病院:Sint-Augustinus
住所:Oosterveldlaan 24, 2610 Wilrijk
TEL:03 443 30 11
HP:  http://www.st-augustinus.be

<アントワープエリアでおすすめの産婦人科医>
産婦人科医:Dr. Peter De Loecker
http://www.gzafertiliteit.be/ons-team/gynaecologen/
(別のスタッフがお世話になりとてもおすすめしたい医師。英語が上手で説明も丁寧です。)


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『〜ベルギー出産事情〜 ベルギーでの妊娠&出産について』
『【出産体験記】 私の初めての出産 in ベルギー』

 


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