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NO.5 モーツァルト・フェスティバル
〜音楽祭の裏側/ 準備編~

”音楽フェスティバル”というと大掛かりな物を皆さん想像されるのではないでしょうか。しかしここヨーロッパでは、小さな音楽フェスティバルが各地で開催されています。とはいっても、小さいながらに実際開催までには長い苦労の道のりがあるのでした。今回はそんな”音楽フェスティバル”の裏側に迫ってみたいと思います! 

前半は準備編です!

私の夫ダニエル・ルービンシュタイン(通称”王子”)は、ヴァイオリン&ヴィオラ奏者です。 音楽家の義両親が16年前に”モーツァルト・フェスティバル”という音楽祭を立ち上げました。現在は夫が音楽監督です。モーツァルト以外の曲も演奏するので、何故” モーツァルト”なのかはちょっと謎です(笑)。

私がこのフェスティバルに顔を出すようになったのは2002年。当初は表舞台しか見ていなかったので、有名な方達の演奏を聞いて、お話する機会があって、とっても楽しい!と思いました。しかし王子と結婚しその裏側を見るにつけ、「フェスティバルの主催って大変だな・・・」と身に沁みて感じています。

フェスティバルの準備は約11ヶ月前から始まります。まずはスポンサーを探したり、助成金申請の書類準備です。この助成金・スポンサーの集まり次第で、次のフェスティバルの規模、究極「フェスティバルが開催出来るか?!」まで掛かっている非常に重要な地点。「やっぱり来年はやめておく」という企業ももちろんあり、毎回ドキドキの期間です。

何とかフェスティバルが開催出来る位の資金は集まりそうだという話になると、今度は音楽家探しとプログラム作り。一緒に演奏したい人、してみたい人、人気があって沢山人が呼べそうな人、その他色んな事情を考慮します。意外と気を使うのが、「あの人とあの人は仲が悪いらしい」なんて噂。そんな”あの人”と”あの人”を遭遇させてしまってはフェスティバルの間中雰囲気が悪くなってしまいますから(笑)。他に時期や条件が合わなかったり等で、音楽家が決まるまでに案外時間が掛かります。

さて音楽家が決まったら今度はプログラム作り。バランスを考えながら、音楽家の希望を盛り込みつつプログラムや担当演奏家を振り分けて行きます。この時気を使うのは”目立つパート”が偏らないようにする事です。演奏家は皆さん世界中で活躍されている方々。所謂“おいしい所”が全くなければツマラナイ。一度は”あの人は美味しい所が沢山あって、僕に美味しい所が足りない!”と怒ってしまった演奏家もいて・・・気を使います。

さて目出たくプログラムも決まったら、サイト、パンフレット、ポスター、当日用プログラム作成。チケット販売の手配もあります。とにかくチェックしていく事は盛沢山です!

パンフレットを街の至る所に置き、演奏会で配り、思い当たる所全てに配ります。他にラジオ、雑誌、新聞での宣伝や、テレビの取材を受けたりなどして宣伝。とにかく沢山の人達に知ってもらおうと必死です。もちろんそんな必死さはテレビやラジオの前では幾分も見せず、優雅に笑顔を見せています。この段階になってくるとよもや神頼みの段階。沢山のお客様にいらして頂けるか否か、蓋を開けてみなければ分からない。これは全ての演奏会において共通な所です。蓋を開けるまでは、とにかく無事に開催される事を祈るのみなわけです。

さて後編はフェスティバル開催中の裏話です。ベルギーならでは?の裏話だらけです!お楽しみに!



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神田望美 (かんだ のぞみ):ベルギーを中心に演奏活動を繰り広げているフルーティスト。 日本、西欧諸国、ノルウェー、チュニジアの音楽祭、コンサートにも出演し、各国の新聞にて好評を得る。 室内楽を主に多くの音楽家と活動する一方、フルートアンサンブル4Tempi のメンバーとして活躍。故西沢幸彦氏の影響を強く受け、新境地の開拓を目指し、邦楽器、語り、日本の音楽をプログラムに取り入れるなどの試みをしている。ブリュッセル王立音楽院フルート科教職課程を修了し、ベルギー公立のアカデミーの代理講師、Dinant International summer academieにて指導。Atelier de Fluteを立ち上げ指導を行う。日本でもセミナーや吹奏楽部指導などを定期的に行っている。これまでに高橋あかね、植村泰一、西沢幸彦、マルク・グローウェルス氏に師事、ヴァンサン・リュカ、ヴァンサン・コルトブリントらのセミナーに参加。 フェリス女学院大学音楽学部、王立モンス音楽院卒。公式HPブログも絶賛更新中!


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