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No.13 パイプオルガン #1
みなさんはパイプオルガンの音を聞いたことがありますか?
パイプオルガンは、ヨーロッパの教会や大聖堂の一部のように取り付けられている巨大な楽器です。

日本でも音楽大学、音楽ホール、キリスト教系学校の講堂、大きな教会にはパイプオルガンが取り付けられているので、馴染みのある方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、そうでなければ中々日常的に目にする機会はありません。また日本で見るパイプオルガンはどれも新しく手入れの行き届いた立派なものです。

一方、ヨーロッパの古い教会に古くからあるパイプオルガンは、手入れがなかなか行き届かないところもあるようです。しかし私は一つ一つ教会によって違う、何か趣、風格がある教会のオルガンがとても好きで、教会に入ると、ついパイプオルガンを眺めてしまいます。

ベルギーの教会には教会専属のオルガニストがいて、毎週のミサや行事の際にオルガンが奏でられ、オルガンの音楽会なども催されます。

一口にパイプオルガンと言っても、時代や場所によって色々なオルガンがあり、音色はもちろん、鍵盤の位置、重さ、音量、パイプの場所などなど色々な条件が違うので、オルガン弾きさんは必ず数日前乗り(本番より前に現地入り)してオルガンに慣れるのだそうです。学生の間では各地の色々なオルガンに触れることが勉強になるそうです。

さて、これからこの”裏話”では、幾つかの教会を訪ね色々なオルガンを見ていきたいと思います!

第一回は、ベルギー南西部、フランス国境に近い小さな街、テュランThulinのオルガンです。このこのテュランの教会のオルガンは1870年にジョゼフ・メルクランによって作られ、文化遺産に指定されている由緒あるオルガン。しかし1984年火災にあい、資金不足によりそのままになっていました。2012年にようやく修復作業が開始。20万ユーロ(約2300万円)掛けて修復され、2015年6月に修復完了しました。パイプの数は約1300本!一つ一つ丁寧に修復され、現在ではミサや音楽会で重宝されています。

今回は、私の音楽院時代の同級生で、テュラン教会の専属オルガニスト、ジョナタン・ブリドゥさんにオルガンの裏側(まさに、裏側です!)を見せていただきました。中々文字でお伝えできないので、今回はビデオ付きです!



まずはジョナタンさんに、オルガンを弾いてもらいました!いつも教会の下で聞くオルガン。遠くから見ると大きなパイプばかりが見えて、オルガン奏者も見えたり見えなかったり。一体どうやって弾いているのかちょっと拝見!隣で聞くと大きく鍵盤の音がして驚きました。同じ鍵盤楽器でも、ピアノとはかなり違いそうです。



さて、皆さんパイプオルガンという楽器は、どのような仕組みで音が出ているか知っていますか?

この大きなパイプから音が出ているわけですが…一体どうやってパイプから音が?

それは、私の楽器フルートと同じ仕組みで、パイプの管体に空気を送り込む事で音が出ています。巨大な吹奏楽器なのです。オルガンの裏側には巨大送風装置(ふいご)があり、そこで1300本もあるパイプに空気を送っています。そこでその装置を今回は見せてもらいました。楽器の裏側に人が入れるなんて、本当に巨大な楽器ですね。



いかがでしたか??

次回はパイプの一部や、鍵盤の仕組みを見せてもらいます!

<2017-4-22>

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神田望美(フルート・篠笛奏者)
ベルギーを中心に演奏活動を行い、日本、西欧諸国、ノルウェー、チュニジアなどで音楽祭、コンサートに出演。 故西沢幸彦氏の影響を強く受け、新境地の開拓を目指し、邦楽器、語り、日本の音楽をプログラムに取り入れるなどの試みをしている。室内楽・現代音楽・邦人作曲家の作品、現代邦楽、ワールドミュージックなどで活動中。ベルギー始め、ノルウェー・ルクセンブルグ、チュニジア、ドイツ、日本等の新聞、ラジオなどで紹介される。Atelier de Fluteを立ち上げ、ブリュッセルとパリにて教室を主宰。その他毎夏International Music Academy  Dinantで講師を務める。公式HPFacebook Twitter ブログも絶賛更新中!



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