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No.1 エリザベト王妃国際コンクール

初めまして!今回から”お喋り笛吹きのベルギー音楽裏話”を書かせて頂く事になりました。
ベルギー在住10年目、フルートで演奏をしたり、教えたりしています。どうぞ宜しく御願いします!

さて第一回目はエリザベト王妃国際コンクールについてです。日差しも春らしいお天気の日が多くなるこの5月始めからコンクールは始まります。世界的に有名なコンクールで、多くの日本人も過去に入賞しています。1年おきにヴァイオリン、ピアノ、声楽、同時に作曲部門募集があり、その後に1年間の休みが入る4年サイクルです。

エリザベト王妃コンクールの前身は、1937年に始まったベルギーを代表するヴァイオリニスト、イザイの名を取ったウジェーヌ・イザイ・コンクールでした。戦争で中断していたのを、1951年にエリザベト王妃が受け継ぎ、エリザベト王妃国際コンクールの名に変わりました。この王妃様はどうやら音楽が大好きだったそうです。

このコンクールはベルギーが国力を上げて行っており、多くの予算が使われ、準本選からはラジオ・TV中継があります。聴衆も満員。密かに推しの演奏家を応援したり、審査員のように◯Xを付けて結果予想してみたり、コンクール参加者のホストファミリーになったりと、皆それぞれに楽しんでいるようです。世界各国から参加者が集まるので、予選会場に行くと参加者の緊張感と興奮の入り混じった雰囲気が味わえます。

更にこのコンクールは長丁場でも知られていて、予選開始から本選まで3週間近く、本選に残った人は1週間Chapelle Reine Elisabeth (シャペル・レンヌ・エリザベト)という寄宿制学校に2人ずつ閉じ込められて行き、その間一切の情報は遮断されてしまうとか。1日目にコンクールのために書かれた新曲を渡され、それを一週間で練習して本選で弾くわけです。

作曲家にとってもこのコンクールの為に依頼されるのは大変な名誉です。大体が現代曲なので、まぁよくぞ一週間で弾けるようになりましたね・・・というような曲ばかり。とにかく精神力と耐久力がいるコンクールだと、以前参加した方が仰っていました。

そんな王妃国際コンクールが、2011年は5月5日から始まります。声楽部門です。

【エリザベト王妃国際コンクール】
URL: http://www.concours-reine-elisabeth.be/

*2012年度のエリザベート王妃国際コンクールはバイオリン部門です。
2012年4月30日(月)〜6月14日(木)
Queen Elisabeth Competition - Violin 2012
エリザベート王妃国際音楽コンクール−ヴァイオリン
ファビオラ王妃後援 ヴァイオリンコンクール並びにウジューヌ・イザーイコンクール75周年。
今年は第一次予選 (2012/4/30~2012/5/5)とセミファイナル(2012/5/7~12)は コンセルヴァトアールのホールではなく、Flagey (フラジェ)で行われます。ファイナル(2012/5/21~26)は例年のようにボザールで行われます。



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神田望美 (かんだ のぞみ):ベルギーを中心に演奏活動を繰り広げているフルーティスト。 日本、西欧諸国、ノルウェー、チュニジアの音楽祭、コンサートにも出演し、各国の新聞にて好評を得る。 室内楽を主に多くの音楽家と活動する一方、フルートアンサンブル4Tempi のメンバーとして活躍。故西沢幸彦氏の影響を強く受け、新境地の開拓を目指し、邦楽器、語り、日本の音楽をプログラムに取り入れるなどの試みをしている。ブリュッセル王立音楽院フルート科教職課程を修了し、ベルギー公立のアカデミーの代理講師、Dinant International summer academieにて指導。Atelier de Fluteを立ち上げ指導を行う。日本でもセミナーや吹奏楽部指導などを定期的に行っている。これまでに高橋あかね、植村泰一、西沢幸彦、マルク・グローウェルス氏に師事、ヴァンサン・リュカ、ヴァンサン・コルトブリントらのセミナーに参加。 フェリス女学院大学音楽学部、王立モンス音楽院卒。公式HPブログも絶賛更新中!


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