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映画「残されし大地」“LA TERRE ABANDONEE”(原題) (ジル・ローラン監督/ベルギー/マルセイユ国際ドキュメンタリー映画際正式招待作品) 2011年の福島原子力発電所による事故のあと、帰還困難区域として指定された富岡町に独り残り続け、動物の保護活動を続けることで有名になった男性と、傍らに寄り添う寡黙な父。 人気のなくなった町の中、今もひたすら畑を耕し続ける老人とその傍らで折鶴を作る妻。 南相馬の仮設住宅に住む夫婦は、お彼岸の墓参りをしながら放射能測定器を片手に「翌年こそ」の帰還を先祖に誓う・・。 淡々と進んでいく日常生活の中で、彼らが自然体で紡ぐ言葉の中に「ある日」を境に、かつての故郷を失った人間たちの今とこれからが見えてくるーー。 5年前に福島を襲った「不運のその後」をある視点を持って描き出すことで、観る者に「土地と人」との切ろうとしても切れない強い結びつきを考えさせる。しかし“反原発”というスタンスをベースにしながらも、それだけを声高に語るわけではなく、土地本来の持つ変わらぬ自然の美しさを切り取り、感じ取ってもらうことに、監督としての静かな抗議が込められているとも言えます。 監督は日本人を妻に持つベルギー人で、本作が処女作そして遺作となるジル・ローラン。 長年、主にヨーロッパの映画界でサウンド・エンジニアとして活躍してきた彼が妻の母国である日本に移り住んだあと、自らメガホンを取ってもと選び取った題材が「福島」でした。 しかし、祖国ベルギー・ブリュッセルにて編集作業のために一時帰国し、それが最終段階に差し掛かったころ、地下鉄テロで命を落とすという思いがけない出来事が。映画はプロデューサーや同僚らの悲しみを超えた努力によってその後、完成しました。 福島、そしてテローー。 期せずしてダブルのドラマが織り込まれた本作品。衝撃的なニュース性を持ちながらも、映画そのものは人ならば誰もが持つ“五感で感じる”という、どこか肉体的な心地よさにも満ちています。 身を委ねたくなる美しい景色、耳に心地よい音、そして美味に映るもの・・それらをこよなく愛し、鋭敏な感覚を持っていた監督、ジル・ローランの感性が、直接、観客の五感にも心地よく響くことが予想されます。 まさに「命を懸けて、命の尊さを描いた」本作。 今はこの世にない、かつて存在した監督の身体に備わっていた感覚が、ひとりひとりの中にその都度、蘇る“不思議な装置”でもあるこの映画・・・それは本作の持つ本来のメッセージが伝わることと同時に、亡き監督本人にとっても癒しとなることでしょう。 2015|ベルギー|72分|カラー| 制作:CVB Brussels (http://www.cvb-videp.be) プロデュース:シリル・ビバス 監督:ジル・ローラン PROFILE :1969年ベルギー、バストーニュ生まれ。 在ブリュッセル芸術学校INSAS(http://insas.be) にて録音技術を学び、サウンドエンジニアとして活躍。主にヨーロッパを舞台に多くのドキュメンタリー、フィクション映画の製作に参加。2005年、映 画”The Roof”にてマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀レコーディング賞を受賞。参加した日本公開作品には「闇のあとの光」(2012カルロス・レ イガダス監督 カンヌ映画祭・監督賞受賞作品)、「チキンとプラム煮 〜あるバイオリン弾き、最後の夢」(2011 マルジャン・サトラピ監督)など。 (参加作品の一覧:インターネットムービーデーターベスよりサウンドエンジニア、Gilles Laurent分 http://www.imdb.com/name/nm5428363/?ref_=fn_al_nm_2 ) 【上映日程・ベルギー】 Namur(ナミュール): 2016年9月27日(火)20:00 Cinéma Caméo Rue des Carmes 45, 5000 Namur 無料 http://www.lafetefwb.be/event/la-terre-abandonnee/ Mons(モンス): 2016年9月29日(木)20:00 12, rue de Nimy, 7000 Mons 4.5ユーロ http://plaza-art.be/?p=News&id=451 Bruxelles (ブリュッセル フラジェ) Flagey: Place Sainte-Croix 1, 1050 Ixelles 2016年10月12日(水) 19:30 2016年10月16日(日) 15:30 2016年10月19日(水) 17:30 2016年10月22日(土) 21:30 2016年10月26日(水) 17:30 2016年10月29日(土) 19:30 2016年11月19日(土) 17:30 2016年11月21日(月) 19:30 2016年11月24日(木) 17:30 5.5ユーロ https://agenda.brussels/fr/event/395963/la-terre-abandonnee.html Bruxelles(ブリュッセル ボザール) - Bozar: Rue Ravenstein 23, 1000 Bruxelles 2016年10月5日(水)20:00 製作スタッフも来場 http://www.bozar.be/fr/activities/118532-premiere-la-terre-abandonnee---gilles-laurent Bouillon(ブイヨン): 2016年10月25日(火) ジルの故郷、ブイヨンにて ある学校で昼夜2回上映 【上映予定その他・日本】 10月1日(土)全国コミュニティシネマ会議での上映:高崎市柳川町の高崎電気館 上映時間や料金の問い合わせは「高崎映画祭事務局」=電027(326)2206 10月16日(日)京都市での京都国際映画祭で上映 🔶2017年3月ロードショー決定!🔶 日本全国で順次公開予定です。下記のFacebookページにてご確認ください。 https://www.facebook.com/nokosareshidaichi/ 【メディアでの紹介】 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092002000260.html 毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160827/k00/00e/040/246000c NHK World 9月23日(金)、先日の「おはよう日本」での「残されし大地」紹介のニュースが英語字幕付きで再放送される予定。 その他は随時Facebookにて案内予定です。 https://www.facebook.com/nokosareshidaichi/ |
*この記事は主催関係者から提供された詳細を掲載したものです。(2016年9月) |
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